2023年12月31日日曜日

six albums of the year (2023版)

2023年は、夏に差しかかるころから、なんだか体調がとてもよくなりました。別に、それまでも何か病気をしていたわけではありません。なんとなく頭が痛くなったり、お腹を壊したり、少し活動すると疲れてしまったりと、日常の中でよくある体調の変動が少なくなりました。今は毎日が元気です。理由はよくわかりません。何か一つだけの要因ではないのだとは思います。本当の自己は行為的自覚でなければなりません。私は夏が好きで冬が嫌いなので、夏が終わったらまた悪くなってくるのかなと思っていましたが、そういうわけでもありませんでした。

体調がよいというのはいいものです。何をすることにも、何もしないことにも、楽しさがあります。とはいえ、去年の私に、楽しさがなかったわけでもありません。それなりのところで、折り合っていくものなのでしょう。楽しさというのは、自分の中から発見される、抽象的なものなのだと、改めて気づきました。大切な一年になりました。

東プレのキーボード REALFORCE R3S / R3SC13 を買いました。JIS配列の、テンキーレスの、キー荷重30グラムのモデルです。キー荷重30グラムというのは、世のキーボードの中でも軽い部類になると思います。私は、キー荷重45グラムの Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S を使っていると、一日の終わり頃に指が疲れている感じがあって、軽いものを探していました。私にはキー荷重が軽いものが合っているのかもしれません。指や手の力がないのでしょうか。とても調子よく使えています。REALFORCEのシリーズは、R2とR3とで雰囲気がだいぶ違って悩むところでしたけれど、R3Sが発表されて、これだ、という感じが私はします。

HHKB Professional HYBRID Type-S も変わらずに好きで、どちらも使い続けています。キー配列もキー荷重も違うけれど、私はこうして、気に入った複数の道具を並行して使い続けている様子が好きです。

そんな中、こちらの記事を読みました。

「買ってよかった考具2023(るう)」 - by るう - トンネルChannel

とてもよい記事をありがとうございます。多大なる影響を受け、NuPhy のメカニカルキーボード Air75 V2 の Ionic White を購入しました。キースイッチはAloeです。いちばんキー荷重の軽い、37グラムです。これが大変に素晴らしく、Air60 V2 も欲しくなってきています。キー荷重30グラム台の軽いキースイッチが、自分にあっていることに気づきました。

Nintendo Switch のゲーム、スーパーマリオRPGのリメイクをプレイしました。私は今ではゲームをする習慣は皆無で、スマートフォンのアプリのゲームですら一切しません。ちょっと記憶にないくらい、久しぶりに真剣にゲームをしました。それこそ、スーパーマリオRPGのスーパーファミコン版をプレイしたとき以来かもしれません。

当時、スーパーマリオRPGのスーパーファミコン版が私は大好きで、何度も何度もプレイしていました。今年リメイクが発表され、大変に感動しました。長く生きていると嬉しいことがあるものです。プレイしてみると、この人に話しかけるとこう言われるとか、ここに隠し宝箱があるとか、完璧に覚えていて、まったく迷わずクリアできました。完璧に覚えていたおかげで、リメイクで少しだけ変わっている個所にも気づくことができ、とても楽しくプレイできました。

これでもう、私は、ゲームをすることは一生ないような気もします。スーパーマリオRPGのリメイクのリメイクでも出ない限り、でしょうか。人が日々を生きるうえで、最後というのは遍くあり得るわけで、ため息のような感傷があります。

書籍『思考を耕すノートのつくり方 ―自分の知的道具を手に入れる』(倉下 忠憲)に、次のような一節がありました。
もちろん、そうした生き方もひとつの選択ではあるのですが、問題はそうした選択を意識的に選んでいるのかどうかです。それこそじっくり腰を落ち着けて、「自分は仕事にすべての時間を使うのだ」と考えた結果なら、そのように仕事に邁進しても後々後悔はないでしょう。しかし、考えて選択することをせず、ただ巻き込まれ、流されているだけなら、後になって「自分の人生とは何だったのか」という気持ちが出てきたときにうまく対処できなくなります。
何の話かといいますと、私は毎年、その年によかった音楽アルバムを六枚選ぶことにしているのです。
さっそく、始めます。



『王国』 / fishbowl

アルバムというのはよいものです。アルバムにしようという、意図があるからです。



『FINE LINE』 / パソコン音楽クラブ

自己というのは行為的自覚でなければならないのです。



『龍凰童子』 / 陰陽座

前を向いて日々を過ごす方がよいはずです。私の選択です。



『境界 KYOKAI』 / Satomimagae + duenn

行為と自覚の相互作用によって、成り立つ何かがあります。



『biotop』 / jizue

私は、論理と芸術だと思います。



『Camellia』 / RAY

世界に論理と芸術があってよかったと思います。なんとなれば、論理と芸術が世界を形作っているのかもしれません。


終わりに


2023年は、音楽のライブにもたくさん足を運ぶことができました。ライブに参加していると、そういえば3年ほど前はこんな光景だったなと思うことも多く、感慨深いものがあります。それまで気づかなかったことに、気づくようになるということは、ほとんど、生きることのすべてです。

書籍『新装版 ダウン・ツ・ヘヴン Down to Heaven』(森 博嗣)に、次のようにありました。
「五分五分だったら、勝てます」僕は答える。
「意味がわからない」彼女は首をふった。
「客観的なデータが五分五分の条件を、すべて勝ってきた、だからこそ、生き残っているんです」僕は言った。「五十パーセントも可能性があるならば、必ず勝てます」
「変な自信ね」
「自信ではありません」
「では……、何?」
「予感です」そう答えたけれど、それは二番めに思いついた言葉だった。本当のところは「諦め」だと思える。
私は櫻井敦司のことを忘れません。何か悩むことがあったとき、不安なことがあったとき、迷うことがあったとき、私は、櫻井敦司と BUCK-TICK がいるから大丈夫だと思って、今までの日常を過ごしてきました。ありがとうございました。

日常は非日常だったのかもしれません。日常と非日常が世界を形作っているのかもしれません。そんな世界を、私は好ましく思います。私の好きな記事をご紹介します。

日常を支えるという非凡な能力 | Notebookers.jp

世界には、日常を支えるという非凡な能力があります。無用なセンチメンタルといえば、そうなのかもしれません。でも、私と関係のあった方も、そうでない方も、私の日常と非日常を、等しく支えてくださっています。

一年間、私の大切な日常をありがとうございます。私の大切な非日常をありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。

2023年12月29日金曜日

2023年の<びっくら本>

本を読むというのはよいものです。本を読んでいる間だけは、本を読んでいる私がいることを疑う余地がないからです。いろいろな本があって、いろいろな読書があるから、いろいろな私があってよいのです。他でもない、私だけを笑わせていることができます。

RAYの楽曲「読書日記」には、次のような一節がありました。
未完成を繰り返す物語、
ただここで、ただいまを、
優しく、間違って、生きること

透明なあの夢は模倣した、
いつまでも、僕たちは、
語り、語られ、
続く、夜へ、
さよなら
倉下忠憲さんのメールマガジン、「Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~ 2023/12/18 第688号」を読みました。

メルマガ | R-style

2023年の読書の振り返り / 小説部門 / アニメ部門|倉下忠憲

今年に読んだ本から、私も、十冊を選んでみました。びっくら本といいます。今年もよい本をたくさん読みました。よい読書をたくさんしました。



『西田幾多郎講演集』(田中 裕 編)

未完成と完成を繰り返す物語です。



『音楽と生命』(坂本 龍一 著, 福岡 伸一 著)

未完成と完成を繰り返すというのは、普遍なことです。生命です。



『コマとジャイロ ―回転体の科学と技術』(ジョン・ペリー 著, 森 博嗣 監修, 高島 直昭 訳)

生命は、非情だけれど優しいものです。科学と技術に似ています。



『学習の生態学 ――リスク・実験・高信頼性』(福島 真人)

科学と技術には躍動があります。間違いがあるから、生命の躍動です。



『伝わる英語表現法』(長部 三郎)

文法を読んでいる間だけは、私がいることを疑う余地がありません。



『本を書く』(アニー・ディラード 著, 柳沢 由実子 訳)

文法を書いている間もそうです。



『オメガ城の惨劇 SAIKAWA Sohei’s Last Case』(森 博嗣)

長く、本を読んできてよかったと思います。



『鵼の碑』(京極 夏彦)

いつまでも、私たちが、語り、語られる本があります。



『ノイマン・ゲーデル・チューリング』(高橋 昌一郎)

語り、語られる物語があります。



『作家の仕事部屋』(ジャン=ルイ・ド・ランビュール 著, 岩崎 力 訳)

私の心だけは、置いていきません。


終わりに


文法を追いかけ追いかけられているというダイナミクスの中に、私があります。これだから読書というのはやめられません。Hey! Say! JUMP の楽曲「そっと鏡にキスをした」には、次のような一節があります。
そっと鏡にキスをしたり
こそっと如雨露で虹を作ったり
笑わせたいよ
私だけを
置いていかないよ
心は
こそっと如雨露で虹を作ったりするようなものです。