2016年3月11日金曜日

優しい深呼吸

私は音楽と読書が好きです。
長く、音楽と読書を好きでいると、不思議と、いろいろと気づくことがあります。生きる意味などというものがあるとしたら、想像もしなかった何かに気づいていくことは、その一つなのかもしれません。

音楽を聞くことも、本を読むことも、一人で、静かになされるものです。
長く続けてきたためでしょうか。他の人による評価や意見を目にせずとも、よい音楽、本を、心から納得できるようになりました。

一人で静かになされることです。基本的に、よいことなのでしょう。

自分に向き合う、とか、自分だけの感性を、といった表現からは、薄気味の悪いものを感じます。過剰にロマンティックです。
情報のインプットを限定する、というと、今度は、奇妙な標語になってきます。

ぞっとしないものがあります。
一人でなされるものなら、ただ、一人でなされればよいはずです。

私たちが、ガレージと呼ぼうと決めたものです。

自分のガレージを持つと、優しくなれるような気がします。そう信じたいのでしょうか。
ゆるやかな共感に直面するためかもしれません。想像もしなかった共感です。

Aice5の楽曲「Re.MEMBER」から引用いたします。
さぁ 見つめてみよう 歩いてきた人生
ダメじゃないさ 振り返る事は
深呼吸をして 弱さも認めて
そして前を また向けるのなら
振り返ることも、深呼吸をすることも、一人で静かになされたいものです。
そして、前をまた向けるのなら、素晴らしいことです。

あるいは、前を向かなくても、いろいろと気づくことがあるだけで、不思議と、生きていくことができます。
素晴らしいことです。

2016年1月16日土曜日

繊細な情報、連帯の抽象

クリームも、あんこも、チョコレートも、私は好きです。甘いものです。

こうしたものは、食べて、満腹になる度合いで割り算したときのカロリーが、大きい値になります。平たく言えば、高カロリーです。
大変に効率の良い食べ物といえます。高く評価できます。

『数学ガール』シリーズ(結城浩)の登場人物、ミルカさんは、昼食にキットカットを食べています。
私は、キットカットより、アルフォートをお勧めします。私の知る限り、価格で割り算したときのカロリーが最も高くなるチョコレートが、アルフォートだからです。効率の良い食べ物です。

それから、私は、イチゴショートケーキに乗っているイチゴが嫌いです。進んで、効率を悪くしているような気がします。私は、できるだけ無駄がない、効率の良い人生を歩んでいきたいと思っています。ショートケーキのイチゴは、空間的にも、価格的にも、認知的にも、マイナスのインパクトを感じるのです。
毎月二十二日はショートケーキの日ですが、上にイチゴが乗っていますので、私は賛同できません。
似た話題では、カレーに具がたくさん入っているのも、もんじゃ焼きに具がたくさん入っているのも、苦手です。

こちらの記事を読みました。

チーズケーキ、美味しかったよっておすすめしたいけど語彙がなくてつらい。[PR] | やよこぶろぐ

とても良い記事でした。何度も読み返しました。

記事では、読書感想文が苦手だったことが語られています。
でも、読書感想文は苦手で、点数が下がるのを承知で1度だけ出さなかったことがあります。
苦手であることの感覚を、独特の表現で続けられます。大変に秀逸です。
ずっと、それは本に没入するせいだと思っていましたが、今では、少し違う気がしています。うまく言えませんが、文章がぶつかり合うような感じがします。なぜか本当に語彙がなくなってしまうのです。
何となく、その秀逸さを語るのが、難しいように感じました。「うまく言えませんが、文章がぶつかり合うような感じが」、私も、するようです。思い当たる節があります。
不器用な私が、心込めて書きました。

料理といえば、こちらの記事を読みました。

趣味は料理です、携えるノートブックは冒険の書 | Notebookers.jp

大変に素晴らしい記事です。ぜひ、多くの方に読んでいただきたいと思っています。

記事の著者さんは、三冊のノートブックを日常に使われているそうです。三冊目が、雑記帳だと言われます。
引用させていただきます。
そして3冊目は雑記帳。なのですが、これ、元々は英語の勉強のために使っていたノートブックで、自分の頭の中をうまく整理する方法がないかと試行錯誤するうち、絵日記のような絵本のようなものになってきたものです。
なんということでしょう。大きな万感を覚えます。

英語の勉強のためのノートブックが、試行錯誤を経て、絵本になったのです。絵本です。余人のどんな理知をもってしても、決して予期できないことです。

ああ、ここには本当に試行錯誤があったのだ、と感じました。

賢い先見では、試行錯誤の行く末を見通すことはできないものです。どんな人間も、それほど賢くないためでしょう。

これは希望です。
私たちには、試行錯誤の後に、思いも寄らぬ高みにたどり着いて感動する可能性が、常に残されているのです。ボトムアップの感動です。

同じ記事には、もう一つ、どうしても言及したい箇所があります。

趣味は料理です、携えるノートブックは冒険の書 | Notebookers.jp

引用いたします。
家庭料理、がキーワードになるようです。
何年か前、伯母の遺品整理をしている時に、様々なものから切り抜いた料理記事と、それらを貼り付けてスクラップブックにした家庭雑誌が出てきたことがありました。
記事の著者さんの伯母さんは、料理上手だったそうです。
「伯母さん料理上手だったものね。でも(スクラップブックやノートブックじゃなくて)雑誌に貼り付けてるの、昔の人だからね」と皆で笑ったりしたのですが、
料理のレシピを、雑誌に貼り付けていました。
家庭料理のレシピです。作る人がいなくなれば、情報は失われていきます。賢い余人の理知ではたどり着けない類の、豊かさを備えているためです。

避けられないことではあります。悲しいことなのでしょうか。
半世紀前の家庭料理のレシピ、作り手がいなくなって作り方もわからず、二度と味わうことも出来ないだろうと思っていた料理のレシピが綴られたノートブックなんて、形式はどうであれとてもロマンチックなものだなあと思ったのです。
ロマンチックである、と評されます。羨ましい感性です。

ロマンティックさの一つは、完全に失われてしまったと思われていた情報が、人目から隠れて、残存していたことでしょう。
手触りの記録からは、記録を残すためにかけられた時間が偲ばれます。つぎ込まれた、かけがえのないコストへの共感が、胸を打つのかもしれません。

もう一つのロマンティックさは、懸命の記録にも関わらず、余人の理知では到達できない豊かな情報は、やはり、失われてしまうことです。伝達されることはかないません。繊細だからでしょう。
保存する手だてがなく、ただ、失われていくのを眺めるだけです。無常なロマンティックです。

共感といえば、こちらの、素晴らしい記事をご紹介いたします。

再確認、安心感、ゆるやかな共感と連帯:Word Piece >>by Tak.:So-netブログ

他人のアドバイスが直接的には役に立たない、ということについての思索です。
次のように書かれています。
そこには、物ごとのあり方はみんな違うしそこに正解などないという、当たり前すぎることについての再確認がある。
物ごとのあり方とは、具体的なものへの理解のことだと、私は解釈しました。
具体的な領域において、存在するのは人それぞれの差異で、存在しないのは正解です。私たちの共感と連帯は、きっと、そこではない場所にあります。
正解のないことを考え続けている人(たち)がいるという、安心感がある。
日々を続けていく中では、自分の他にも、正解のないことで悩んでいる人がいるとは、なかなか、思い至りません。
抽象の場面で、共感と連帯に出会うことは、思いも寄らないことで、不思議な感動があります。

さて、ここまで、三つのエピソードをご紹介してきました。

一つめは、試行錯誤の末に到達したところについてでした。
二つめは、繊細なために、失われてしまう情報についてでした。
三つめは、抽象の場面で、思わぬ共感に出会うことについてでした。

余人の理知では到達できないところにある感動について、一貫して、書いてきたつもりです。

人間はそれほど賢くなく、おかげで、感動はどこにでもあるようです。
自分なりの感動です。

冒頭でご紹介した記事には、次のようにあります。

チーズケーキ、美味しかったよっておすすめしたいけど語彙がなくてつらい。[PR] | やよこぶろぐ

引用いたします。
昔のわたしのように、クリームもあんこもチョコもダメで、チーズケーキだけは食べられる、小さい子どもさんに、雪の上にネームプレートを載せて、お誕生日ケーキにしたら素敵だと思います。
誰かの試行錯誤の末に、チーズケーキだけは食べられることを発見したのでしょう。
つぎ込まれたかけがえのないコストが、胸を打ちます。

Aice5 の楽曲、「ショートショートケーキ」を思い出します。
不器用な私が 心こめて焼きました
もんじゃ焼きでしょうか。もんじゃ焼きは好きです。具がたくさん入っていないものがよいです。
カレーなら、ゴーゴーカレーが好きです。
思わぬ共感があれば、幸いです。


終わりに


いろいろ書きましたが、やはり、ショートケーキにイチゴは乗せなくてよいように思います。
不必要につぎこんだコストではないでしょうか。

2015年12月31日木曜日

three albums of the year (2015版)

季節柄でしょうか、私も、少し過去を振り返りたくなります。
思えば、私の音楽リスナとしてのキャリアが、それなりの歳月を重ねてきました。

私の書く文章には、頻繁に「思えば」との書き出しがあります。
ロックバンド「D」の楽曲「太陽を葬る日」の歌詞に影響されたものです。

2015年には、こちらの記事に出会いました。

知らない間にまたいだ何かのライン | Word Piece >>by Tak.

なんとなく、忘れられない記事です。
長く、私がリスナであることと、呼応するのかもしれません。

好きなバンドが解散することがあります。
活動を再開することがあります。
変わらずに活動を続けていることもあります。

リマスタリングして再発されたアルバムの、オリジナル盤を聞いていることがあります。
若いミュージシャンがカバーした楽曲の、オリジナル版を聞いていることがあります。
若いミュージシャンが語る「影響を受けたアルバム」に、私も影響を受けていることがあります。

もう若くない、という言葉からは、震えるような、豊かな感動を覚えるようです。

とはいえ、先にご紹介した記事によれば、私は、二十分の半身浴は苦痛ですし、がんもどきより、しょうが焼きの方がずっとよいです。
またぐ予定のラインは、まだ何本もあるようです。

何の話かといいますと、私は毎年、その年でよかった音楽アルバムを、三枚選ぶことにしているのです。

今年も、素晴らしい音楽にたくさん出会うことができました。

以下、
アルバムタイトル / アーティスト名
でご紹介します。

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outcome / onomono

真っ直ぐで、ハードで、私の好きなテクノです。
日本人の、ベテランのアーティストの方のようですが、大変に残念なことに、私は、今年まで存じ上げていませんでした。

まだまだ、私の知らない音楽がたくさんあります。

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Outside of Melancholy / fhana

また今年も、明るくて、楽しい音楽を作る方々に出会えました。

一年間、繰り返し、伸びやかな気持ちをもらったアルバムです。感謝です。

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Exhibitionist 2 / Jeff Mills

おや、と思われたでしょうか。ご想像の通り、私たちの敬愛する Jeff Mills の、DVD作品です。2015年の、有数の話題の一つでした。
DVDを主とするパッケージではありますが、音楽CDも同梱されています。こちらも素晴らしいアルバムになっています。

こちらのDVDは、近所のCDショップで購入しました。レジに持ち込んだときに、店員さんから、「あ、ジェフ・ミルズお好きなんですか!?」と声をかけられました。
その店員さんが、DVDを陳列されたのかもしれません。こんなに近所にも、古き良きデトロイト・テクノを愛好する人がいらっしゃいました。嬉しいものです。

私が嬉しいかどうかはさておくとしても、このようなことがあると、今後も、インターネットではない、実際の店舗に足を運びたくなります。


終わりに


本文中、「変わらずに活動を続けていることもあります」と書いたところがありました。
はじめ、「続けていることも、もちろんあります」と書いたのですが、読み返して、修正しました。

変わらずに活動を続けられることは、ほんの少しも、「もちろん」なことではない、と思い直したためです。

BUMP OF CHICKEN の楽曲「才悩人応援歌」から言葉を借りるなら、「生活は平凡です。平凡でも困難です。星の隅で、継続中」なのです。

私は日常が好きです。

こちらの記事は、私が何度も何度もご紹介させていただいているものです。

日常を支えるという非凡な能力 | Notebookers.jp

これをお読みの方も、そうでない方も、また、私が出会ったことのある方も、そうでない方も、皆さま、私の好きな日常を少しずつ支えてくださり、ありがとうございました。

これからも、よろしくお願いいたします。

2015年11月5日木曜日

11月といえば自分の好きなブログを告白する月…ということです2015

目的と手段が転倒してしまうようなところが好きです。

書籍『モール化する都市と社会』(若林幹夫)に、空港や駅があたかもショッピングモールのように開発されることについての話題がありました。
ほかにも高速道路のサービスエリア、一般道にある道の駅、そして新千歳のみならず、成田、羽田中部国際などの空港のように、移動の経路や、それまでであればキオスクや土産物店程度の売店がある単なる休憩所や待合所にすぎなかった中間地点に商業施設を集中的に配置する手法が広がっている。
高速道路のサービスエリアや、道の駅などが言及されています。
交通がモール化する、と表現されます。
交通がモール化するとき、中間経路にすぎない移行空間は、できるだけはやく通過するための目的合理的・手段的な施設というだけではなく、その時・その場を楽しむ消費の施設になる。
目的地にいたるための手段であった存在が、目的に変わっています。

どのような行為でも、もっとも底にある要素を好きであることが、強い影響力を持つのかもしれないと思うようになりました。ブログを書くことであれば、キーボードをタイプすることでしょうか。
キーボードをタイプすることが好きだと、ブログを書くことに影響があるような気がします。

目的と手段が転倒しています。

他方で、好きであるということは、自分以外の人を向いたときには、悪い説明であると思っています。悩ましいところです。

何の話かといいますと、11月といえば自分の好きなブログを告白する月なのです。
さっそく、はじめます。

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delaymania

更新の多いブログです。私は欠かさず読んでいます。
話題を問わず、何か、前向きな気持ちを受け取ることのできるブログです。

錯覚ではないはずです。熱い記事です。

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見て歩く者 by 鷹野凌

振り返ってみれば、ずいぶんと遠くへ来たものです。
この一年は、独立した記事は少なかったでしょうか。更新の多くは、毎週月曜日の、ニュースのピックアップとコメントで構成された記事だったようです。

週のはじめの風物詩です。
ちゃんと情報を把握している人が、整理して、コメントすると、ちゃんと面白いものです。

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Notebookers.jp | How many miles to Notebookers.jp? | by せら

やや、トリッキーなご紹介です。
webメディア Notebookers.jp のライタ、せらさんの書かれる記事のことです。
Notebookers.jp が始まってから、ずっと、楽しみに読んでいます。

たくさん本を読み、映画を見られる方が、たくさん文章を書かれます。すごいことになっています。
世の中に、すごい人がいて、嬉しくなります。

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iPhoneと本と数学となんやかんやと

考えていることとやっていること、考えたこととやったこととが、書いてあるブログです。

等身大であり、形而上でもあります。
なるほど、essay とは、試みるという意味でもあるのです。

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R-style

価値が、見出されるもので、本当によかったです。

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Word Piece >>by Tak.

こちらで日常をかいま見るたびに、私の方の日常はどうだったかと、振り返ってしまいます。

出版おめでとうございます。
それから、「ライフ・アウトライン(仮)」とは、何のことでしょうか。大変に気になります。

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ザリガニが見ていた...。

今年は車を買われたようです。
そんな記事も素晴らしく、車が欲しくなってしまうようです。

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gofujita notes

こちらのブログから、劇的さを読み取らない人はいないでしょう。しかし、描かれているのは、想像よりも具体です。
震えているのは感受性でしょうか。


終わりに


それとも熱い心でしょうか。