2019年12月31日火曜日

six albums of the year (2019版)

年齢的なものなのか、『ヘルシープログラマ』(Joe Kutner 著, 玉川 竜司 訳)を読んだためなのか、自分の健康が気になるようになってきました。

歩くこと、同じ姿勢をとり続けないことは、健康のために、果ては長くプログラマを続けるためによいそうです。

すぐに影響され、Fitbit Inspire を買いました。肌身離さず付けていて、計測された睡眠時間など、ぴったり合っていて驚きます。歩数も測っています。自分は一日にけっこう歩いているとわかり、安心しました。外に出て体を動かすのは基本的に嫌なのですが、少し多く歩いてみてもいいかなという気になります。

記録をとって見返すことで、心穏やかに生活していられることがあるのです。

2019年には、万年筆を一本購入しました。LAMY の aion です。普段使いの万年筆が三本になりました。LAMY aion、LAMY CP1、Faber-Castell Ambition です。

三本あると使用の幅が広がり、かなり自由な感じになります。長く使い続けることのできる道具には、こういう感じがあります。

万年筆が増えたのにあわせて、ペンケースも新調しました。つくし文具店のつくしペンケースです。万年筆と、名刺サイズの情報カードを十枚ほどと、ニベアのリップクリームを入れています。

トラベラーズノートにはジッパーケースをセットするようになりました。

毛糸のジッパーケース、スタンダードエディション(パステル) | Notebookers.jp

大変に素晴らしいものです。作られる人を本当に尊敬します。

私はニベアのヘビーユーザで、ハンドクリーム、リップクリーム、ボディソープをニベアで揃えています。今年から、ハンドクリームにニベアソフトも使い始めました。通常のニベアクリームも併用しており、それぞれに使いどころがあって面白いものです。

急に空間系のエフェクタに興味が出て、BOSS の RDD-10 と SE-70 を買いました。ハーフラックです。なんとなく知ってはいたものの、ディレイというのは機材によってまるで違って鳴ります。誰かに教えられたのではありません。私が自分で発想しました。

ヘッドホンも新調しました。外出用に、AKG の Y500 WIRELESS です。自分にとっては初めてのワイアレスのヘッドホンです。ヘッドホンのケーブルがなくなるとこんなに楽なのかと思います。自宅用には、audio-technica の ATH-AD500X です。自分にとっては初めてのオープン型です。

何の話かといいますと、私は毎年、その年によかった音楽アルバムを六枚選ぶことにしているのです。
さっそく、始めます。



『Night Flow』 / パソコン音楽クラブ

夜の街を歩くとき、言葉にならない感慨のようなものを覚えることがあります。言葉にならないから、やりとりすることはできないと思っていました。インストの楽曲でなら、表現できたようです。



『Water Memory / Mount Vision』 / Emily A. Sprague

アンビエント・ミュージックをやる人は、なぜだか自然の様子をテーマにすることが多いような気がします。



『Out of Hue』 / Sleepland

本当に、音楽というのは、作る人によっていろいろな音楽があります。インストゥルメントなので、生まれ持った声が違うとかではありません。明確な旋律があるわけでもありません。それでも、その人にしかない音楽ができあがります。

何度気づいても感動します。



『海と宇宙の子供たち』 / Maison book girl

同じように、複数の人で作っていても、その人たちにしかない音楽ができあがります。真剣に作っておられるからでしょうか。

なるほど、その人らしさというのは、真剣に歩いている、ぎりぎり後ろにできるものなのかもしれません。足跡のようなものです。



『New Young City』 / For Tracy Hyde

どのアルバムにも、言葉にならない感慨のようなものがあり、各々ですべて異なった感情のようです。言葉にならない感慨、と言葉にしてしまうと一言で済んでしまうのですが、実際には無限の精度があります。無理数のようなものです。

感情というのは、言葉よりも豊かです。それを忘れずにいるために、新しい音楽を聞き続けるのかもしれません。



『Human Dignity』 / 摩天楼オペラ

ですので、まったく違った感動があります。ジャンルが違うからではなくて、アルバムが違うからです。真剣に音楽を作っている人がいます。


終わりに


ヘッドホンを新しくしたためか、ライブやイベント、クラブにもよく足を運びました。ライブに行くと、拘束されて、真剣に音楽を聴くことになるのがよいところです。拘束されて他のことができず、一つのことに集中する経験は、健康のためによいことのような気がします。

書籍『わたしは不思議の環』(ダグラス・ホフスタッター 著, 片桐 恭弘 訳, 寺西 のぶ子 訳)にありました。
要するに、ループが生んだ驚くべき新しい構造は、原理的には基本のループとその性質から導出可能だが、実際には別種の「固有の生命」を持っている、新たなレベルの存在を作り出すのだ。
毎年同じことをしているようで、記録をとって見返してみると、たくさん新しいことをしていました。いろいろと買ったものは、いずれも、私の行動と思想を変化させるものでした。

他方で、記録をとっているのは Evernote ですし、メモをとっているのは名刺サイズの情報カードですし、この文章を書いているのはポメラです。変わらずに使い続けている道具も、たくさんあります。いずれも、私の行動と思想を、変化させないものでした。いや、変化させるものだったのかもしれません。

すべてのループが私の日常です。私は日常が好きです。

私の好きな記事をご紹介します。

日常を支えるという非凡な能力 | Notebookers.jp

このエントリをお読みの方も、そうでない方も、私と関わりのあった方も、そうでない方も、私の好きな日常を、少しずつ支えてくださっています。

ありがとうございます。
これからも、よろしくお願いいたします。

2019年12月29日日曜日

2019年の<びっくら本> #mybooks2019

幻覚のような読書が好きになりました。

雑誌『キーボード・マガジン 2020 WINTER』(リットー・ミュージック)で、SANOVAの堀江沙知さんのインタビューを読みました。次のように話されています。
でも、インストだとどういう気持ちを込めて書いていようが受け手はいい意味で自由に解釈できるから、それが素敵だなと思います。私が言いたいことが全部伝わらなくても、相手が好きなように受け取ればいいかなと思っていて。ある意味、自分が思っていることをこっそり入れられるのも面白いなと思っています。
文章を読むことにも、書くことにも、私は同じようなことを思っています。何か、得体の知れない全体性のようなものが、相手と私の間のどこかにあります。相手と私のうちにはありません。空想ではないけれど、幻覚のようなものです。

そういう本が好きです。たぶん、昔から好きです。

こちらの記事を読みました。

【企画】2019年の<びっくら本>を募集します #mybooks2019 – R-style

私も本を紹介してみます。



『全体性と無限 (上)』『全体性と無限 (下)』(レヴィナス 著, 熊野 純彦 訳)

この人は本当のことを語っている、と感じることがあります。幻覚のような全体性は、虚構とは違うのです。

複雑なことを複雑に語ります。
信頼という言葉の意味です。



『数学は最善世界の夢を見るか? ――最小作用の原理から最適化理論へ』(イーヴァル・エクランド 著, 南條 郁子 訳)

信頼と真理は断片的で、多くの時間と努力を費やして獲得するものです。
希望でしょう。



『はてしない物語 (上)』『はてしない物語 (下)』(ミヒャエル・エンデ 著, 上田 真而子 訳, 佐藤 真理子 訳)

物語と、物語と、はてしない物語が迫ってくるようです。

あるいは、物語などひとつもないのかもしれません。空間を雑多に埋め尽くすだけです。
その方が私は好きです。幻覚のようなものです。



『フランシス・ベーコン 感覚の論理学』(ジル・ドゥルーズ 著, 宇野 邦一 訳)

いつまで経っても、私は、空間を埋める感覚が好きです。
フランシス・ベーコンの絵にもあります。



『吉野家 ~もっと挑戦しろ! もっと恥をかけ!』(安部 修仁)

吉野家の牛丼(並)を連日食べている私は、涙なしでは読めませんでした。



『哲学者の密室』(笠井 潔)

足の先がかじかんでくるようです。



『記号と再帰 新装版: 記号論の形式・プログラムの必然』(田中 久美子)

再帰的なものに目を奪われるのは、人間の本能でしょうか。不思議なことです。
有名な感情のなかでは、恐怖に近いのかもしれません。



『暗号解読(上)』『暗号解読(下)』(サイモン・シン 著, 青木 薫 訳)

暗号を作る人がいて、暗号を解読する人もいます。
暗号を作る機械があって、暗号を解読する機械もあります。

ほとんど見分けがつきません。
有名な感情のなかでは、美しい、だと思います。



『地獄の思想―日本精神の一系譜』(梅原 猛)

思想を発展させる過程というのは、前向きでよいものです。
多くの時間と努力を費やして獲得するものだからです。



『夢と幽霊の書』(アンドルー・ラング 著, 吉田 篤弘 解説, ないとう ふみこ 訳)

空想ではないけれど、幻覚のようなものです。
幻覚は虚構ではありません。本当のことです。


終わりに


言いたいことが全部伝わらず、好きなように受け取れることは素敵だと、私も思います。

幻覚のような読書が好きになりました。
多くの時間を費やして獲得するものだからです。