2023年12月29日金曜日

2023年の<びっくら本>

本を読むというのはよいものです。本を読んでいる間だけは、本を読んでいる私がいることを疑う余地がないからです。いろいろな本があって、いろいろな読書があるから、いろいろな私があってよいのです。他でもない、私だけを笑わせていることができます。

RAYの楽曲「読書日記」には、次のような一節がありました。
未完成を繰り返す物語、
ただここで、ただいまを、
優しく、間違って、生きること

透明なあの夢は模倣した、
いつまでも、僕たちは、
語り、語られ、
続く、夜へ、
さよなら
倉下忠憲さんのメールマガジン、「Weekly R-style Magazine ~読む・書く・考えるの探求~ 2023/12/18 第688号」を読みました。

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2023年の読書の振り返り / 小説部門 / アニメ部門|倉下忠憲

今年に読んだ本から、私も、十冊を選んでみました。びっくら本といいます。今年もよい本をたくさん読みました。よい読書をたくさんしました。



『西田幾多郎講演集』(田中 裕 編)

未完成と完成を繰り返す物語です。



『音楽と生命』(坂本 龍一 著, 福岡 伸一 著)

未完成と完成を繰り返すというのは、普遍なことです。生命です。



『コマとジャイロ ―回転体の科学と技術』(ジョン・ペリー 著, 森 博嗣 監修, 高島 直昭 訳)

生命は、非情だけれど優しいものです。科学と技術に似ています。



『学習の生態学 ――リスク・実験・高信頼性』(福島 真人)

科学と技術には躍動があります。間違いがあるから、生命の躍動です。



『伝わる英語表現法』(長部 三郎)

文法を読んでいる間だけは、私がいることを疑う余地がありません。



『本を書く』(アニー・ディラード 著, 柳沢 由実子 訳)

文法を書いている間もそうです。



『オメガ城の惨劇 SAIKAWA Sohei’s Last Case』(森 博嗣)

長く、本を読んできてよかったと思います。



『鵼の碑』(京極 夏彦)

いつまでも、私たちが、語り、語られる本があります。



『ノイマン・ゲーデル・チューリング』(高橋 昌一郎)

語り、語られる物語があります。



『作家の仕事部屋』(ジャン=ルイ・ド・ランビュール 著, 岩崎 力 訳)

私の心だけは、置いていきません。


終わりに


文法を追いかけ追いかけられているというダイナミクスの中に、私があります。これだから読書というのはやめられません。Hey! Say! JUMP の楽曲「そっと鏡にキスをした」には、次のような一節があります。
そっと鏡にキスをしたり
こそっと如雨露で虹を作ったり
笑わせたいよ
私だけを
置いていかないよ
心は
こそっと如雨露で虹を作ったりするようなものです。