2011年12月2日金曜日

ミュージシャンに学ぶ発想法

Clip to Evernote
『サウンド&レコーディング・マガジン 2011年12月号』に、サロンミュージックのインタビューが掲載されています。そこから一部を抜粋します。
吉田 …(略)… あのフレーズにこのラインを重ねたらいいなということでアレンジしていって、最終的に元になっているフレーズを使わない。
竹中 最終的には消えているんだけど、その背景にあるのね。
吉田 聴こえている音と聴こえない音との両方で作られている。だから最終的にはシンプルに聴こえるんだけどそこに至る工程はすごく複雑。
今回はここからヒントを得た発想法について考えてみます。

使用するもの

マインドマップを使うのが筋かもしれませんが、ここでは北真也さんの『新時代のワークスタイル クラウド「超」活用術』で知った、「マンダラート」を用いたいと思います。

マンダラート
マンダラートは今泉浩晃氏によって考案されたアイデア発想法で、3×3のマス目を用意して、中央に配置されたキーワードや問いかけから連想されるもので残りの8マスを埋めていきます。
そして、周囲の8マスから一つを選び、それを新たに中央に据えて同じことを繰り返すものだそうです。

本家サイトがこちら。
http://www.mandal-art.com/

発想が辿る道のりが、マインドマップともKJ法とも異なりますね。

マインドマップは、先に大分類が決まり、それを順に細分化していくため、トップダウン式と言えます。
一方KJ法はボトムアップ式です。それについてはこちらで非常に分かりやすく示されています。
シゴタノ! —    構造化はブレストのあとで 〜KJ法のエッセンス〜

そして、マンダラートはこのどちらでもないと考えられます。
あえて言えばフラクタル式でしょうか。

発想法の手順

1. マンダラートを実践

まずは普通にマンダラートを行います。
マンダラートでは一番初めに中央に持ってくるキーワードがつまらないものでも、やってみると面白くなるとのことです。
ですので軽い気持ちで、手軽に開始できます。

2. 4階層作る

最終的なアウトプットのサイズにもよると思いますので正解は分かりませんが、「周囲のマスから一つを選び、新たな中央として再度行う」作業を、とりあえず3回繰り返すことにしてみます。
すると全部で4つの階層が出来上がります。

3. 始めの2階層を捨てる

ようやくここで、サロンミュージックのお二人の手法を流用してきます。
4階層出来た内の、前半の2つを捨ててしまいます。

4. 残った2階層を骨子として、アウトプットを行う

そして後半の2つの階層だけを元にして、ブログ記事を書くなり、企画書を作るなりします。

さて、このような手法にはどんな利点が考えられるでしょうか。

独自色の強いアイデア

アウトプットは多くの場合、初めに大きな骨組みを考えて徐々に細かくしていく、トップダウンの方式が取られます。このとき、何もないところから骨組みを考え出す必要があるため、それ自体がよくあるものになりやすいと言えるでしょう。
一方今回の手法では、アウトプットの元になる断片が、すでに思考を重ねた末に作られたものであり、よくあるものは前半で捨てられています。

再度『新時代のワークスタイル クラウド「超」活用術』から引用します。
この8マスというのが絶妙で、アイデアが8個も浮かばないような場合でも、なんとか無理をして8マスすべてを埋めようとすることで、思いもよらないアイデアを引き出す効果があります。
この効果を、大いに活用できるのです。

その背景にある知識

サロンミュージックのお二人が言うところの、「実は複雑な背景がある」点はどうでしょう。

捨てられてしまっていますが、そのアウトプットに至るまでには、裏に別の重要な考えがありました。
これがあることでアウトプット自体が、平たくない、深みのあるものになります。
アウトプットの基礎がしっかりする、とも言い換えられるかもしれません。
素朴な例を挙げるなら、作った企画書について人から質問や突っ込みを受けたとき、返答できる可能性が自然に高まります。

終わりに

という、長い思考実験でした。
実際にやってみてから書くことも考えましたが、先に手法を定義するのも悪くないかなと思ったのです。