2012年12月27日木曜日

音楽と雑誌への思い

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先日、「FOOL'S MATE」という月刊誌が、刊行休止となりました。
(正確には、「月刊誌という形態を一時的に止める」とのことです。詳しくはリンク先をご確認いただきたいと思いますが、本エントリではとりあえず「休止」との言葉で統一します。)

FOOL'S MATE OFFICIAL WEB

本誌読者の皆さまへ

「FOOL'S MATE」は、主にヴィジュアル系のアーティストを取り上げる音楽雑誌です。
(少なくとも、私にとってはそうです。昔はそうではなかったことを、上記のリンク先で初めて知りました。)

私は長年この「FOOL'S MATE」を読んできましたので、休止を知った際には様々に考えることがありました。
本エントリでは、そんな私の「音楽と雑誌」への思いをつづっていきます。

今回はそんな話です。


「FOOL'S MATE」


いわゆるヴィジュアル系と呼ばれる文化は、基本的には日本にしか存在しないものです。
近年では、ヴィジュアル系アーティストが海外へ進出し、そこで喝采を持って迎えられることも多くなっています。ひとつ、ヴィジュアル系は日本人として世界に誇れるものなのです。

「日本のヴィジュアル系」は、その発展の歴史のうちかなりの割合を雑誌に依ってきました。
そして、日本でのヴィジュアル系雑誌の二大巨塔と呼ぶべき存在が、「SHOXX」と、件の「FOOL'S MATE」なのです。

それでは、なぜヴィジュアル系にとって雑誌は重要なのでしょう。
これを考えるところに、私の「音楽と雑誌への思い」があります。

雑誌には、例えば、近々アイテムのリリースがあるアーティストに、それについてのインタビュー記事が載ります。
そこで、アーティストはその作品にこめた気持ちやメッセージ、こだわりの部分などを大いに語ることができます。アーティストは普段は楽曲を作っているだけですので、それについて語ることができる場はとても重要です。

また、ヴィジュアル系の楽曲は、世界観やストーリーが想像を絶して壮大であることが往々にしてあります。「想像を絶して壮大」とはずいぶんと大仰な表現ですが、きっと、ヴィジュアル系界隈に詳しい方なら同意していただけると思います。そうでない方は、とにかくものすごく壮大だと思っていただければよいです。「これ音楽だよね?」というくらいです。
これに関しては、語れる場がないことにはもはやどうしようもありません。

そして、そういった長くて複雑な話が、おそらく、プロのインタビュアーさんやライターさんの手で文章にされ、編集の方が校正するのでしょう。詳しくは私も知りませんが、文章や紙面作りのプロの方が、アーティストの思いがきちんと伝わるようにしておられるのは間違いありません。
重要なのはこの、「文章や紙面作りのプロの方」がやっているというところです。自分でブログ等を書くアーティストもたくさんいますが、情報として、それとはまったく別のものなのです。

文章だけではありません。ヴィジュアル系のアーティストにとって、アー写と呼ばれる写真は、音楽に負けないくらい大事なものです。
こちらにも、プロのスタジオやカメラマンさんが登場してくるわけです。
さらには、アーティストは、アー写の雰囲気についてなどは自分たちからもアイデアを出したりするようです。自分たちが掲載される数ページを、全力で、共に作るということです。

彼らにとって、雑誌に掲載されるインタビューは立派なひとつの「表現」なのです。
そして、雑誌の人は、プロとしてそれを伝えてくれます。

これが、私の「音楽と雑誌への思い」です。

(ヴィジュアル系ほどではないかもしれませんが、)他のジャンルであっても、
  • 「音楽の情報」の姿をした「アーティストの表現」を、
  • 「アーティストの表現」の姿をした「音楽の情報」を、
伝える媒体として雑誌は最強です。これは、何かと比較したら雑誌の方が良かった、といったことではなく、絶対的に雑誌しかありえないのです。


電子版


そうは言っても、「FOOL'S MATE」は休止となってしまいました。
やはりと言いますか、何と言いますか、次に期待をかけるのはウェブサイトだったり、電子版の雑誌だったりするわけです。

現状、(紙の)雑誌ほどのポテンシャルを持ったウェブサイトは、私には見つけられていません。
先述したように、「FOOL'S MATE」などはアーティストからも信頼を置かれ、掲載される側もこだわりを持つような雑誌です。
(「FOOL'S MATEだから言いますが、」というインタビューを何度も読んだことがあります。)

数多ある(だろう)「音楽情報サイト」たちの中で、それほどの存在になっているものがどれだけあるのか私にはわかりませんが、少なくとも、私が紙の雑誌程度の満足を得られるようなところには、いまだ出会えていません。

あるいは、ウェブサイトは基本的に無料で読めるのが問題なのかもしれません。
その意味では、「cakes(ケイクス)」のような仕組みで音楽情報を発信できるような場所があると、良さそうな気がします。

それから、雑誌の電子版についてです。
アプローチには、
  • 紙で刊行されている雑誌を電子化
  • 電子版オリジナルの雑誌
の二つがあるでしょう。

前者に関しては、ぜひ電子化が進んでほしい、としか私には言えません。残念ながら、私が読みたい雑誌で電子版が販売されているものは見つかりませんでした。今後に期待です。

後者については、最近「ERIS」という電子の雑誌を知り、購読を申し込みました。

音楽雑誌「エリス」 | 音楽は一生かけて楽しもう

無料で購読できますので、音楽好きの方はチェックしてみると良いかもしれません。私もこれから読みます。楽しみです。

とはいえ、無料ではなかなか続けるのも大変な気がしますし、ここはひとつ、有料で良質な電子版雑誌が登場してくるのに期待したいと思います。


終わりに


こうして見ると、まだまだ情報が足りていない部分はたくさんあるのだなと、改めて思います。