2012年2月2日木曜日

KJ法とマインドマップの差異

Clip to Evernote
前回のエントリでは、KJ法の大まかな様子を見ていきました。

今回テーマとしたいことは、以下のエントリに依っています。

シゴタノ! —    構造化はブレストのあとで 〜KJ法のエッセンス〜

こちらは前回ご紹介した、

シゴタノ! —    KJ法がもたらすもの、あるいは凡人のための発想法

の連なりの記事となっています。
つまり、上記二つと同じ流れを本ブログでも行ってしまおうとしているわけです。したがって、そちらの記事を読んだ方にとって私の方は無駄なエントリとなります。

しかし、私はKJ法を非常に評価していますし、それを伝える上で本エントリのことにはどうしても触れておきたいのです。


マインドマップ


マインドマップは今やすっかり市民権を得ていますので、改めて私から説明することはありません。
KJ法と同じく、発想や情報整理などを行うツールです。

ここで述べておきたいのは、マインドマップではトップダウン的なアプローチを取るということです。

「シゴタノ! —    構造化はブレストのあとで 〜KJ法のエッセンス〜」から引用します。
トップダウン的アプローチは主題を分解していく方法です。 
まず主題(テーマ)を設定します。その主題からいくつかの中テーマを導き出し、その中テーマからさらに小さいテーマへ、と細分化を進めていきます。
情報がトップダウン的に扱われていくことが重要であり、きれいな絵を描いたり、鮮やかな色を使ったりといった部分は本質ではありません。


KJ法


KJ法では、初めに末端から作られます。それぞれの情報が持つ意味などは考慮しないまま、とにかく言いたいことを書き出していくわけです。
そしてその後に、節や章、そしてテーマが決まっていきます。
これはボトムアップ的なアプローチです。

すなわちマインドマップとKJ法では、本質的に持っている能力が全く異なります。


トップダウンの問題点


トップダウン的アプローチでは何よりも、始めに分類を定めてしまう点で無理が生じることがあります。

どんな場面で用いるのであれ、メインとなるテーマはあらかじめ決定していることが多いでしょう。
しかしその次のステップの大分類を作成する時点では、将来それがどのように進んでいくかわからないまま、大いなる予断を持ってそれを決定しなければなりません。

正確に言えば、予断でしか決定できないのです。
これは、扱う情報の総量が十分に小さいことがはっきりしていて、かつその類の情報の取り扱いにとても慣れていればうまくいくでしょう。
これはつまり、単純でわかりやすいものならトップダウン的アプローチで良い、ということを意味しています。


こんな状況


実はこういった、「先に分類を作ると(複雑さを原因として)後からどうこうするのが事実上不可能になる」状況は、おそらく多くの人が経験しています。

Evernoteのノートブックです。

そこでEvernoteの整理法として、『EVERNOTE「超」知的生産術』(倉下忠憲)で「マドルスルー整理法」が唱えられているわけです。
最初に完璧な形や理想像を設定し、それに従って整理していくのではなく、とりあえず情報を入れていき、実際にそれを取り出して使いながら自分なりの整理方法を徐々に作り上げていく、あるいは目的の変化に対応して整理も変更する、というのが「マドルスルー整理法」です。
この「マドルスルー整理法」は、まさにボトムアップのアプローチを取っています。


ボトムアップの問題点


実はボトムアップにも(本質は異なりますが、一見)似たような問題が潜んでいます。
始めに取り扱う末端の情報が多すぎると、グループを作るために検証しなければいけない組み合わせの数が膨大になってしまうことです。
トップダウンのように「どうこうするのが不可能」になるわけではなく、単に手間がかかるというだけですが、無視できない問題です。
これにより、ボトムアップ的アプローチの汎用性が低くなってしまうためです。


終わりに


汎用性が低いのは悪いことなのか、といったそもそもの問題はあるにせよ、何かしら考えたいところです。