2012年1月28日土曜日

コモディティ

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少し前に、『僕は君たちに武器を配りたい』を読了しました。

『僕は君たちに武器を配りたい』(瀧本 哲史)

非常に感銘を受けたのですが、本ブログでどのように取り上げようか迷っていました。
どうも私は、正面切って本について書くのは得意ではないのかもしれません。
(もちろん経験が乏しいだけかもしれません。ここを判断するのは非常に難しいことです。)

しかし、このところいろいろ考えることがありますので、少しずつやっていこうかと思っています。


コモディティ


本エントリでは一つ、重要な単語を紹介します。概念と呼ぶのが良いかもしれません。
コモディティ(commodity)です。
コモディティ(commodity)とは英語で石鹸や歯ブラシなどの「日用品」を指すときによく使われる言葉だが、経済学や投資の世界ではちょっと違う意味で使われる。
まずは、英単語として「日用品」だということです。日用品とは、多くの場合それが「歯ブラシ」であることに意味があって、「何という歯ブラシ」であるかにはあまり興味は持たれません。
(歯ブラシにものすごくこだわりがある方は、各自別の例を思い浮かべてもらうのが良いです。)

このあたりが発展して、経済学用語として使用されるようになったのだと思います。
市場に出回っている商品が、個性を失ってしまい、消費者にとってみればどのメーカーのどの商品を買っても大差がない状態。それを「コモディティ化」と呼ぶ。
経済学の定義によれば、コモディティとは「スペックが明確に定義できるもの」のことを指す。
もう少し踏み込むと、「スペックが明確に定義されていて、消費者がそれを基準に購入するもの」と理解しても良いと思います。
この定義を参照すると、本来の意味が「日用品」であるためにわかりにくくなる部分が出てきます。
経済学用語としてのコモディティは、車でも、家でも、買い手がスペックを見ている限り、あらゆる財・サービスにあてはまるということです。

さらに正確に言うなら、「スペックを元にして買われることで、ビジネスモデルが成り立っているもの」とできそうです。
そもそも「スペックを元にして買われない」というのは、「そのモノ以外では必要な価値が得られない」ことを指しています。先の例で言えば、「この石鹸でないとだめ」といったことです。上で触れた、「歯ブラシにものすごくこだわりがある」と同様です。これは多少のスペックの良しあしには左右されずに購入されるでしょう。
このようなことを、コモディティに対してスペシャリティ(speciality)と呼びます。
ただし多くの石鹸は、それほどこだわりのないその他の買い手による消費から利益を得ています。

このように突き詰めると細かい話が出てきますが、とりあえずは数値や肩書によって「スペックが定義できるもの」との理解にしておきます。

さて、ここで触れておきたいことが二つあります。


低価格化


資本主義経済の下では、コモディティ化とは低価格化と同義になります。

ある程度石鹸としての役割が果たせることが前提として、(もちろん石鹸にものすごいこだわりがないことも前提として、)何個入りで、どれくらいの期間使えて、といったスペックが同様な石鹸がいくつかあった場合、判断基準になるのは価格になります。
少しでも安いものが良しとされ、購入されます。資本主義の世界で勝者になれるといってよいでしょう。

勝者になれるのはいいのですが、コモディティ化したモノにおいては、買い手の立場が強くなります。
要するに、ひたすら買い叩かれるしか生きる道がなくなってしまいます。


コモディティ化をたどる


ここまでの話だと、コモディティ化とはとても良くないことのように見えます。実際、その商品が利益を生むには良くないことです。
しかし残念ながら、資本主義の下では、市場に流通するあらゆる商品はコモディティ化していきます。

一時的にスペシャリティを勝ち取るようなモノが現れても、それを支える技術やアイデアは、市場ではすぐに模倣され、低価格化の競争にさらされることになってしまいます。


終わりに


最近、このあたりをすごく考えています。
とりあえずは用語の説明でした。