2012年3月24日土曜日

マイナスの括弧をはずす

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以前、このようなエントリを書きました。

23-seconds blog: 方べきの定理

この中で、「本ブログでも数学について触れていく」といったことを言いました。
今回はそのシリーズです。

前回がセンター試験からでしたが、今回は中学一年生の問題を取り上げます。


括弧をはずす



(a+2)-2(4-3a)

という式があり、括弧をはずしてこれを整理しなさい、というよくある問題を考えます。
(aが変数(未知数)です。それにはxを用いることが多いですが、テキストだと見にくいのでaにしておきます。)
もちろん手順としては、

(a+2)-2(4-3a)
= a+2-8+6a
= 7a-6

で良いです。


間違えない


とりたてて複雑な部分があるわけではないので、普通ならまず間違えるような問題ではありません。

しかし、特にこれを習ったばかりの中学生の方ならわかっていただけると思いますが、これとそっくりで数字だけ異なっているような問題を、何十問とこなさなければならないような状況が出てきます。問題集かもしれませんし、テストかもしれません。

すると、問題数をこなすにつれて徐々にそれが面倒になってきます。
ほとんど変わり映えのしない問題を機械的に解き続けるので、これは仕方のないことです。

面倒になって最初に発生するのは、

(a+2)-2(4-3a)
= a+2-8+6a
= 7a-6

の、二行目(途中式というやつです)を省略して、頭の中でやってしまおうと考えはじめることです。
手を動かすより、頭の中でやってしまう方が楽に見えるのです。


間違える


非常に残念なことなのですが、この二行目を省略すると、必ず間違えます。
もとい、ほとんどの問題では間違えないと思いますが、いつかは、の話です。

重要なのは、「必ず間違える」ことです。
これは、その人が数学が苦手だとか、うっかり者だとか、注意深くないとか、そういうことには一切関係なく、必ず間違えるのです。

このことはよく理解しておく必要があります。


「うっかりミス」


この、途中式の省略を試みて解答を誤った際に、非常によく言われるのが「うっかりミス」です。

「本当はわかっていたのに、うっかり間違えてしまった」などの主張がなされて、「次は気をつけましょう」という解決策が提案されます。

やはりというか何というか、それでは間違いはなくなりません。

間違いの理由を「うっかりミス」としてしまうと、そこで思考停止となってしまいます。
その間違いを引き起こした原因も調査されませんし、当然まともな解決策も出てきません。
(「次は気をつけましょう」がまともでないのは明らかだと思います。)


解決策


つまり、今回の例での解決策は「マイナスが付いた括弧をはずすときには、必ず括弧をはずしただけの途中式を書く」となります。

さて、こういうことを言うと必ず「ああ、途中式を書けば大丈夫なのか」といった話になります。
さらには、本エントリを指して、「なるほど、マイナスの括弧をはずすときには途中式を書きなさい、という記事だった」などという感想になることもあるでしょうか。

まさか、そんなはずがありません。


終わりに


中高生の「数学が得意(不得意)」が、面倒でも途中式を書けることや、単純な計算を素早くできることなど、数学の本質とは離れた要素に依存してしまっていることが、昔から気になっています。
ただ、これはおそらく多くの人が気になっていることだと思いますので、かなり仕方ない部分もあるのでしょう。